経営お役立ち情報
資本金の決め方について
資本金の決め方について解説していきます。資本金の額は高ければ高いほど良いという訳ではありませんし、低すぎると支障をきたすこともあります。
資本金とは
法人を設立するときは、発起人がお金を出資し、それが設立時の資本金になります。その資本金は、預金(現金)になり、運転資金として使う事ができます。
資本金は、使ってはいけないお金だと思っている人がいますが、資本金は最初の運転資金です。売上を上げるために商品を仕入れたり、事務所の備品を買ったりするのに使っていいお金です。
資本金はいくら必要か
「最初の売上が入るまでに必要な金額」を資本金とします。設立登記のための費用で20~30万円は必要ですし、事務所備品の購入費用、名刺やホームページ作成代金、商品の仕入代金、営業活動として会食や通信交通費などが思った以上にかかります。
事業開始する際にいくらかかるのか
設立登記費用が25万円程度かかります。
その他設立時に必要となる経費として、以下のようなものが挙げられます。
<事務所設置費用>
・敷金、保証金 ・礼金 ・仲介手数料 ・保険料 ・事務所備品購入
<事務所固定費>
・家賃 ・管理費 ・光熱費 ・通信費
<インターネット関連>
・ホームページ作成費用 ・ドメイン取得費用 ・サーバー費用
<営業ツール>
・名刺作成 ・封筒作成 ・交通費 ・挨拶状作成
売上の入金がなくても固定費は出ていく
事業開始後すぐに売上金が入金されることは稀です。通常は数か月無収入になる事がほとんどです。その間にも、家賃、光熱費、通信費などはかかります。こういった固定費を3か月分見ておくことが大切です。
いくらあれば安心か
資本金の金額=(設立登記費用+設立時費用)+3か月分の固定費
中小企業の設立時の資本金は、100万円~300万円ぐらいを目安にしましょう。
許認可を受ける場合
許認可を必要とする事業を開始する場合には、「最低資本金」が設定されている場合があります。会社を設立する時点で既にそのような事業を行うと決めている場合には、事前に確認して許可要件を満たす金額にしなければなりません。
体裁を考える場合
資本金の額は会社の規模や体力を表します。初めて取引を申し込む際に、あまりに少額の資本金だと対外的なイメージもよくないので、やはりある程度の資本金は必要です。
税負担を抑える場合
資本金を1,000万円以上にすると、設立年度から消費税の課税事業者となります。
また資本金が1,000万円以下で従業員が50名以下の場合には、法人住民税の均等割りが一番安くなりますが、1,000万円を超えるとその金額が上がってしまいます。起業の段階では1,000万円未満にしておくのがおすすめです。
資本金の金額によって異なる税務上の取り扱い
消費税
資本金が1,000万円未満の法人は、原則として最初の2期の消費税が免税になります。ただし、1期目の上半期の売上高及び給与の支払額が1,000万円を超えると、2期目は消費税の課税事業者になります。それでも資本金が1,000万円未満であれば、確実に1期目の消費税は免税です。
法人住民税の均等割
法人の場合、赤字であっても法人住民税を支払わなければなりません。地方自治体によって異なりますが、資本金が1,000万円超1億円以下になると従業員数が同じであっても法人住民税が異なります。
まとめ
資本金の金額は、3か月分の運転資金をベースに見ておくことが大切です。
資本金の設定金額により各種税金の納税額は変わる為、税金の種類ごとに資本金と税金の関係を確認する必要があります。
また、新たに取引する時の与信調査や銀行からの借入限度額が決まるのでとても重要です。 1円からでも可能ですが、許認可を受ける場合は注意が必要となります。